月ときなこと宝塚

宝塚は幸せの歌

「宝塚GRAPH」6月号の真風さん

 「宝塚GRAPH」6月号を読みました。真風涼帆さん・潤花さんサヨナラ特集号ですね。インタビューや対談が多くて読み応えがあり、スカイ・ステージのサヨナラ特別番組とあわせて見ると、またなるほど~となりました。

 

 真風さんの新人公演初主演作『My dear New Orleans』は、私にとっては蒼乃夕妃さん(星組月組トップ娘役)の新公ヒロイン作として見た作品なのですが、まさかその本番前、真風さんが「この世の終わり」みたいな顔してプレッシャーに耐えていたとは…。新人公演って、役に実力が及ばないのを百も承知で舞台に立たなくてはいけないのが過酷だなと思います。

 個性の強い星組上級生を前に、自分の個性は無個性なことだとやさぐれたり (笑) しつつも、自分にはどういう努力が必要なのかを考え、バウ主演などを経て「意欲の塊おばけ」になり、組にどう貢献できるか、自分の個性とは…と向き合っていく姿は、本当に尊敬します。

 それと、ある役で、それまでは「男役」を研究していたのが、海外の「男性」を研究してみたらとても楽しくて転機になった…というお話が興味深く。『カジノ・ロワイヤル』は大劇場千秋楽をライブ配信で見たのですが、あの集大成のような男役像はそういう積み重ねのうえにあったんだなあと改めて思いました。

 

 芹香さんとの対談もとても面白かったです。個人的に好きなのが、星組時代に真風さんたち92期に対して芹香さんたち93期が反抗したことがあった…という話。あと、芹香さんが新公の稽古後、寄り道しちゃいけないのにカツ丼買って帰った話。(もちろん、他の真面目な話も!)

 私は従順で品行方正に見える(本当にそうなんだとも思う)ジェンヌさんの端々から感じられる反骨精神みたいなものが大好きで。あれだけ競争と人目にさらされて、負けん気がないとやっていけないと思います。秩序は仕事として守りつつ、精神は自由でいてくれたらいいな、と。芹香さんの宙組もとても楽しみです。

 

 これ以上はネタバレになりそうなので、続きはぜひ「宝塚GRAPH」6月号で。