月ときなこと宝塚

宝塚は幸せの歌

花組『鴛鴦歌合戦/GRAND MIRAGE!』東京千秋楽

 先日、花組『鴛鴦歌合戦』『GRAND MIRAGE!』東京千秋楽のライブ配信を見ました。

 『鴛鴦歌合戦』は、演目を聞いたときは「これを花組で?」と思うほど庶民的なお話で意外でした。でも見てみると、温かい下町の世界が繰り広げられていて楽しかったです。礼三郎 柚香光さんは胸キュンな恋愛物をさせると右に出る者がいないですし、誰も悪い人が出てこないほほえましい騒動には、ここ最近の緊張をほぐしてもらった気持ちになりました。そして最後は蓮京院 京三紗さんの涙と、「誰だって幸せになっていいのよ!」と礼三郎に叫ぶお春 星風まどかさんの言葉にホロリと。

 『GRAND MIRAGE!』は、久々に見るロマンチック・レビュー。淡い色合いのきれいな衣装・舞台に、娘役の大きな帽子。宝塚を見ているな~という気持ちになりました。「シボネー」や「ジュテーム」など、リアルタイムで見ていた名場面があるのも嬉しかったです。「ジュテーム」のあと拍手が鳴りやまなかったのにも感動しました。

 今回は、航琉ひびきさん、和海しょうさん、春妃うららさんがご卒業。ご挨拶の前、美風組長が深々と頭を下げている様子に、胸が締め付けられました。最後の柚香さんのご挨拶は頼もしく、すべてを背負える強い人なのだなぁと。

 退団者の皆さん、ご卒業おめでとうございます。出演者、スタッフ、宝塚の皆さん、本当におつかれさまでした。言葉にされたことも、言葉にならないことも、たくさん伝わってくるような千秋楽でした。見終わって、胃痛がしていることに気がつきました。

 

 月組『フリューゲル/万華鏡百景色』大劇場千秋楽の配信を見てからたった2週間、この間に宝塚ではあまりにいろいろなことがありました。

 公演期間中に生徒さんが亡くなるという事態に衝撃を受けました。そのこと自体にも、それを止められなかったことにも。要因もきっかけも、いろいろあり得ると思います。が、いろんな情報は見聞きするものの、何が本当かを知る立場にない一介のファンなので、不用意なことは書けません。

 劇団が、調査・対策して、二度とこんな悲しいことが起こらないようにすると言っているのを信じ、見ていきたいと思います。

 と同時に、ファンとしてのあり方みたいなものも考えました。宝塚をどう思っていいのかわからなくなったというか。好きであることに変わりはないけれど、好きと言うことにためらいが生まれるというのか。でも、好きだと言わないと、それも嘘になる。ここしばらくずっとそんな感じです。

 

 それにしても…どれほど苦しかっただろうかと思います。残されたほうも、どれほどつらいかと思います。毎日ふと考えてしまいます。

 卒業のご挨拶で、自分ひとりの祈りではどうしようもできないことがあるのだと知った…という言葉がありました(うろ覚えです)。私も同じ気持ちです。それでも、今は彼女たちのために祈らずにはいられません。